大腿骨頸部骨折の標準看護計画
みなさん、こんにちわ。 看護研究科の大日方さくら(@lemonkango)です。
基礎看護学・成人・老年看護学実習では、よく骨折患者さんを受け持つ場合が多いです。
骨折患者さんを受け持つ割合が多い理由として入院患者さんの高齢化によって、転倒などで入院されてくるパターンが多いからです。
学生さんは、実習前に苦労しないように事前にレポートを作成しアセスメントに活用できるようにしておきましょう!
大腿骨頸部骨折とは
老化によって骨がもろくなってしまった高齢者に多く発症する。 この骨折をきっかけに筋力が低下し寝たきりになってしまうこともあり、高齢者のADLを大きく下げる要因ともなっています。
大腿骨頸部骨折は、受傷部の治癒だけでなく、治癒後の患者の生活を守るための看護が必要となります。
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大腿骨頸部骨折は、大きく2つに分けられます。
大腿骨頸部内側骨折
大腿骨頸部内側骨折は、関節の中で骨折が起こる場合のことを言います。 内側骨折は、血液循環が悪いため、骨癒合が得られにくいとされます。
しかし、関節内で骨折が起きているため、骨折部周囲のスペースが少なく、出血が少ないのが特長です。
大腿骨頸部外側骨折
大腿骨頸部外側骨折は、関節外で骨折が起こる場合のことを言います。
外側骨折は、内側骨折に比べ骨癒合が得やすいとされます。しかし、内出血が多く、受傷した患者の全身状態に影響を与えてしまう可能性があります。
大腿骨頸部骨折の看護問題リスト
#1大腿骨頸部骨折による疼痛が出現する
#2大腿骨頸部骨折にかr年する不安がある
#3大腿骨頸部骨折に関連した苦痛がある
#4下肢の開放痛やピン挿入部(直達牽引)より感染を起こす可能性がある
#5大腿骨頸部骨折の人工骨頭置き換え術、感染を起こす可能性がある
#6創部のドレナージ不良により幹部の下肢の循環障害が起こる可能性がある
#7床上での患肢安静期間が長く、ADLの制限が大きい
#8患側の下肢の免荷のため、車椅子移動、松葉杖歩行の不安定である
大腿骨頸部骨折の看護目標
#1の看護目標 固定により患肢の安静が図れ痛みが緩和する
#2の看護目標 必要性が理解でき、安心して処置が行われる
#3の看護目標 良肢位を保つ事により正しく牽引が行える
#4の看護目標 患肢の汚染や感染徴候に注意が払え、報告できる
#5の看護目標 感染予防に努めることができる
#6の看護目標 患肢の安静が守れ、症状の変化が報告できる
#7の看護目標 床上生活に慣れ、制限がストレスとならないように援助が受けられる
#8の看護目標 が焼酎に筋力訓練を行い、安定した移動ができる
大腿骨頸部骨折の看護計画
#1大腿骨頸部骨折による疼痛が出現する
観察項目
1創状態
2疼痛
3腫脹
4患肢の神経症状 しびれ、鈍麻、足関節の動き・可動域
5患肢の循環障害 出血、腫脹、皮膚色、チアノーゼ、冷感
6全身状態
・バイタルサイン: 特に血圧、脈拍 ・貧血正條 ・苦痛顔貌
援助計画
1創痛や出家tによるショック症状出現時は救急処置
2開放創の場合は、創処置の介助
3患肢の安静・挙上 ・安楽枕による挙上 ・ギブス固定 ・直達牽引 ・介達牽引:スピードトラック牽引
4医師の指示により鎮痛剤の使用
5患肢の神経障害、循環障害出現時、医師に報告
6精神慰安:動揺や不安を和らげ、安心感を与えるように励ます
教育計画
1患肢の安静の必要性について説明
2創部痛の増強、下肢の痺れ、足関節の動き不良児時は報告するように説明
牽引時
#2大腿骨頸部骨折にかr年する不安がある
観察項目
1疾患の理解度 牽引の必要性
2不安内容
援助計画
1疾患及び牽引の説明後、理解度の確認
2牽引のオリエンテーション:方法、期間
3牽引の介助 ・直達牽引 ・スピードトラック
4不安内容に対する説明
教育計画
1牽引中の注意事項について説明する
・牽引時、痛みや感染徴候が出現したら報告するよう説明する
・患肢の安静の説明
#3大腿骨頸部骨折に関連した苦痛がある
観察項目 1疼痛 ・創部痛 ・ピン挿入部痛
・牽引痛
2出血、ガーゼ汚染
3良肢位
4患肢の循環障害: 腫脹、浮腫、皮膚色、冷感の有無
5患肢の神経障害:足関節の動き、痺れ
6牽引状態
援助計画
1牽引中の管理 ・肢位調整、安静 ・患肢の清潔 清拭 ・スピードトラックの蒔き直し
2神経障害、循環障害出現時は医師に報告
3医師の指示により鎮痛剤の使用 教育計画
1疼痛の増強、牽引障害(特に腓骨神経麻痺)出現時は報告するよう説明
2良肢位を保つよう指導・説明する #4下肢の開放痛やピン挿入部(直達牽引)より感染を起こす可能性がある
観察項目
1ピン挿入部の状態 疼痛、発赤、腫脹、滲出液
2下肢の腫脹、熱感
3創部の状態
4血液データ CRP 白血球 ESR
5発熱
6ガーゼ、包帯のズレ
7患肢の汚染
援助計画
1ガーゼ交換介助
2清潔の援助
教育計画
1感染予防の方法について説明・指導 ・不潔な手でガーゼに触れない ・ガーゼお戦時は報告するよう説明する
2下肢の腫脹、熱感、創部痛出現時は報告するよう説明する 術後
#5大腿骨頸部骨折の人工骨頭置き換え術、感染を起こす可能性がある
観察項目
1全身の皮膚状態
2検査データ
3手術下肢の皮膚状態
援助計画
1清潔保持:入院時に全身の皮膚状態チェック
2手術前日の入浴介助 全身清拭
3手術当日の手術下肢のブラッシング ・完全に覆った手術衣を着せ、風邪を引かないよう保温に留意しベッド上安静をすすめる ・排泄で覆布が汚染する恐れがあれば、バルンカテーテル留置または排尿介助をする
教育計画
1術前から皮膚の清潔保持に心がける
2白癬や皮膚に創がある場合は早めに申し出るよう説明する
#6創部のドレナージ不良により幹部の下肢の循環障害が起こる可能性がある
観察項目
1創部痛
2出血、ガーゼ汚染;SBバック内の出血量
3創部状態 発赤、腫脹、熱感の有無
4患肢の循環障害 腫脹、浮腫、皮膚色、冷感 5患肢の神経障害 痺れ、足関節の動き
援助計画
1SBバックの管理
・自己血回収器使用時はヘパリン生食の量を計算
・SBバックの陰圧保持
・ミルキングローラーでミルキング
2肢位の調整
・股関節の調整 股関節の場合
・スピードトラック牽引時、下肢両側に砂嚢固定 ・膝窩部ロールタオル使用
・内転位、内外旋は禁止 膝関節の場合
・安楽枕を使用し、失軽度屈曲位をとり患肢を挙上
・布団を患肢に直接かけないようにする
3出血、腫脹、疼痛出現時は医師に報告する
4足関節の底背屈不良時、医師に報告する
5ガーゼ交換介助
6医師の指示により鎮痛剤の使用
7血栓性静脈炎出現時は医師の指示により実施
・血栓溶解剤使用
・患肢の安静挙上
・弾性ストッキング
教育計画
1疼痛の増強、足の痺れ出現、足関節の動き不良時は報告するよう説明する
2患肢の安静
・良肢位の保持 股関節軽度外転位
・中間位 膝関節(膝軽度屈曲、中間位)
・内転位
・内旋位の禁止
・ベッドアップは1時間以内を守る
3感染予防 ・不潔な手でガーゼに触れない
・排尿時ガーゼを尿で汚染しないよう気をつける
・包帯がずれたときは報告するよう説明
4下肢の運動
