排便コントロールと便秘ケア|看護アセスメント・看護計画の立て方を解説
みなさん、こんにちわ。 看護研究科の大日方さくら(@lemonkango)です。
実習先で受け持たれた患者さんや、現場で受け持ちになった患者さんではほとんどの方が、【便秘】の医療行為があると思います。
その中で、看護学生さんや看護師さんが問題となるのが、看護診断だと思います。
さらに患者さんの複数の疾患のデパートになっているので、他も複数疾患の診断がなされている場合がほとんどです。
ある病院さんや施設さんでは、排便が無い状態が続いており3日置きぐらいで下剤使用されます。
先輩看護師さんや教員に排便コントロールの看護計画を提出すると、【何故、便秘が起きてると断定出来るの?】と問いかけられて看護学生さんの頭がしっちゃかめっちゃかになって上手く答えられない汗 そんなことにならないように事前に学習を深めて実習に備えていきましょうー!!
排便コントロールの看護計画については、看護実習中どの領域でも絶対に活用していく内容になりますので、事前にレポートを作成していれば事前学習がすごく楽になるかも!
それでは、今回は排便のコントロールができない患者さんの看護について看護計画など交えて解説していきたいと思います!
1.はじめに便秘とは何か?について解説します。
便秘の原因は多種多様にあります。
下記では、その多様な原因の一部について紹介させていただきます。
実習先の領域によって様々な原因があります。
例えば、母性看護学実習に行かれている学生さんが妊産婦さんの便秘の問題を上げる際と老年期実習に行かれる学生さんのアセスメントでは全く違いますよね?
その実習にいく領域によっての便秘の特徴がはっきりしていますので、それぞれの領域実習の特徴を踏まえて便秘の看護問題や看護計画を立案するようにしましょう!
便秘分類
機能性:消化管に異常はないのに機能低下を起こして回数や量が減少する。
→老年期実習、成人期実習では機能性便秘のアセスメントが主になります。例えば加齢に伴い消化器機能低下や活動量低下、水分摂取量の低下に伴う便秘傾向等のアセスメントに繋げていきます。
器質性:消化管そのものの病変が原因。
慢性:機能性便秘の別名です。
薬剤性:薬物中毒、重金属中毒、薬の副作用
→薬剤性便秘について、精神科領域の実習に行かれると実際に目にする場面が多いと思いますが、抗精神病薬や睡眠薬等を内服されると副交感神経が優位になるため、薬剤性の慢性便秘になる患者が多いです。
精神科以外では、鎮静作用がある薬、例えば麻薬等が該当していきます。
上記について国試でも問われる日ヴばヴンですのでしっかりと覚えておきましょうね!
発症機序から見た分類
弛緩性便秘:
弛緩性便秘とは、大腸の蠕動運動が低下し、便が長時間大腸内に留まり、水分が過剰に吸収されて硬くなることで起こる便秘のことです。女性や高齢者に多く、運動不足や食物繊維の不足などが誘因となります。
- 大腸の蠕動運動低下:腸の筋肉が動かなくなり、便を送り出す力が弱まります。
- 便の長時間停滞:大腸内での滞在時間が長くなることで、便から水分が吸収され、硬くなります。
- 頻度:便秘の中で最も頻度が高く、女性や高齢者に多い傾向があります。
- 原因:
- 運動不足
- 食物繊維不足
- 水分不足
- 腹筋力の低下
- 極端なダイエット
- 症状:便が硬く、排便が困難、腹痛、腹部の張り、食欲低下、肌荒れなどを伴うことがあります。
弛緩性便秘の改善策:
食物繊維を多く含む食品を摂取する、水分を十分にとる、適度な運動を行う、腹筋を鍛える、 刺激性下剤の乱用は避ける
痙攣性便秘
痙攣性便秘は、ストレスや自律神経の乱れなどが原因で大腸が過緊張し、便の通過を妨げることで起こる便秘の一種です。便の形はウサギのフンのようにコロコロとしたものが特徴です。
- 原因:ストレス、不安、緊張状態などが副交感神経を過度に刺激し、大腸の蠕動運動が不規則になることで痙攣性便秘が起こります。
- 症状:
- 硬くてコロコロした便が出る。
- 食後に下腹部痛や残便感がある。
- 特徴:
- 便秘の中でも頻度が高く、女性や高齢者に多い。
- 過敏性腸症候群の症状の一つでもある。
- 治療:
- 食生活の改善(刺激の少ない食べ物をとるなど)。
- 排便習慣の確立。
- 薬物療法(緩下剤、腸管運動機能調整薬など)。
- 注意点:
- 通常の下剤(刺激性下剤)は、腸の緊張を高めるため、このタイプの便秘には避けるべきです。
- ストレスを発散できる習慣(運動、入浴など)を取り入れることも重要です。
神経性 末梢神経:ヒルシュスプルング病、シャーガス病
中枢神経:パーキンソン症候群、多発性硬化症、脊髄損傷 機械性閉塞 (イレウス)
薬剤性 オピオイド、抗コリン剤、カルシウム拮抗薬、抗がん剤ビンカアルカロイド、パーキンソン病・慢性神経疾患・抗精神病薬の治療薬による副作用
虚血(消化管への血流減少) 腹部動脈瘤
その他 妊娠、変形性関節症、心臓病、長期臥床
になります。
上記でご紹介した内容から患者さんの便秘の原因について掘り下げてアセスメントすれば良いので、ある程度簡単に情報収集・アセスメントすることができます!
次に、排便コントロールの看護計画についてご紹介します!
2.排便コントロールの看護計画
ここでは下記の排便コントロールの問題リストをあげますが、下記の【排便の変調:便秘】の問題リストもご紹介しています。
排便コントロールの問題リスト
#1便秘のために心身ともに苦痛がある
#2急性の下痢のために不快であり、大量消耗をきたす
#3慢性下痢のため、精神的ストレスや栄養障害をまねく恐れがある。
便秘の看護問題は「排便の変調:便秘」として大きくまとめられますが、細かく分けると次のようなものが挙げられます。
①食事摂取量・水分摂取量の減少によって便秘となっている
②術後の安静や運動不足によって腸管運動機能の低下がある
③薬の副作用による腸管運動機能の低下がある
④精神状態や、認知症による便意認識の欠如がある
⑤疾患により腸管閉塞、または狭窄がある
⑥排便痛や怒責時の疼痛があり、排便困難である
⑦ストレスや環境の変化により、腸管運動機能の低下がある
⑧疾患によって排便機能に障害がある
排便コントロールの看護計画
#1便秘のために心身ともに苦痛である
排便コントロールの看護目標
便秘が早期に解消され良好な排便のコントロールが行える 。
腸管運動機能が改善し、排ガスや排便がみられる
規則正しい排便習慣となる
排便コントロールを自己管理できる
排便コントロールの観察項目 (O-P)
1.便秘の種類
①機能性便秘:単純性、習慣性
②器質性便秘:腸管通過障害、大腸の形態異常
③症候性便秘:循環器疾患、内分泌、代謝疾患、薬物
2.排便状態
①便の性状:硬さ、太さ、色、臭気、量
②排便の回数
③便意の有無
④排便時の状態:怒責の状態、姿勢、疼痛、出血の有無
⑤随伴症状の有無:腹部膨隆、嘔気、嘔吐、腹痛
3.肛門部の清潔状態および異常の有無
4.精神的動揺の有無、原因
5.水分摂取量
6.食事摂取量および食事の内容
7.運動量
8.腹部の状態:腹鳴、排ガス、腸蠕動
9.器質性、症候性便秘を伴う疾患の有無:直腸視診、直腸鏡、腹部単純X-P、注腸造影、大腸ファイバースコープ
10.健康時の排便習慣:排便間隔、排便時刻、排便の要する時間、便の性状、便秘の経験の有無、随伴症状
11.精神的ストレス:患者の状態、ストレスの原因
排便コントロールの援助計画(T-P)
1.排便時の環境整備
①入院による環境の変化に早く対応できるように援助する
②落ち着いて排便できる環境をつくる
③トイレを急がせない
④便器使用の場合:カーテンやスクリーンによるプライバシーの保持に努める ※ 換気に気を配る
※ 便器挿入時はゆったりとした態度で行う
※ 患者に合った便器を選択
2.臥床時間に対して腹部のマッサージや体位変換を行う
3.不安、焦り、哀しみ、悩みなどの精神的動揺を引き起こしている原因について理解し、消去する。
4.気分転換を図る工夫を行う
5.肛門部の清潔保持:清拭、坐浴等により清潔と循環促進
6.薬剤の使用:医師の指示により使用薬剤を選択し、効果観察
7.摘便:肛門視診により便の位置や硬さを確認する
排便コントロールの教育計画(E-P)
1.排便週間の支援:排便のメカニズムを簡単に説明し、毎日排便を試みるよう説明する。
2.許可されている範囲内での運動:散歩や軽い体操
3.食事支援:けいれん性便秘の場合は原則として刺激の少ない消化の良い食事、弛緩性便秘の場合は線維の多い野菜や果物:栄養士と相談し病院で可能なものについては食事に加える。
4.マッサージ支援:患者にマッサージの方法を説明する
5.緩下剤の使用説明
6.臥床時:便意があったら遠慮せずにナースコールするよう説明する。
