看護学生さんが苦手な看護記録の書き方について!
こんにちは。大日向 さくらです!
サイトを一新してから初めて執筆するのが、題目通りの看護記録の書き方のついてです!
看護学生さんは絶対に看護記録で落とし穴に嵌ったようなことになります!
ですので、今回は看護記録の基礎の基礎、そして応用や例文についても解説していきたいと思うので最後までご覧になってくださいね!
- 略語・造語・記号などの使用
- 診療記録に使用する略語集で決めてある略語を使用
- 使用を認められていない略語
- 略語・造語・記号などの使用例
上記内容については看護学生さんは絶対にレポートや実習記録には絶対に書かないようにしましょう。
略語って現場でも記録類、診療録等でもすごく使われていますが、一般論では正確なことをはじめに覚えないといけない!と言いますが、実際には現場・現場で使われてる略語等が違うためです汗
ですので、現在は略語やドイツ語等で記載せず、しっかりと書くように医師等にも浸透していますが、なんといっても看護業界は化石化した文化がいっぱいありますので、学生さんは絶対に真似しないようにしていきましょうね!
それでは先ほど述べたポイントについて解説して行きたいと思います。
診療記録に使用する略語集で決めてある略語を使用
「診療記録に使用する略語集」で決めてある略語を使用し、記録の効率化を図ることができます。
たとえば、「PVC(心室期外収縮)」、「Af(心房細動)」などが
「診療記録に使用する略語集」で決められている略語です。
看護師もアセスメント等に記載している方も多いので、メモを取る時は、似たような名称に惑わされず、分からない時は、こればっかりは病院ルールとなっているため、病棟等の看護師に聞いてくださいね汗
使用を認められていない略語
使用を認められていない略語は使用してはいけません。
×「両肘打撲痛あり、発赤軽度あり、VS著変なし、医師へ報告する、診察結果経過観察となる。」
→ 〇「BP110/64mmHg、P78/分、四肢に内出血斑なし、擦過傷なし、「肘がちょっと痛い」といわれる。疼痛スケール2/5、両肘打撲による軽度発赤あり、圧痛あり、前頭部腫脹なし、瞳孔不動なく左右とも3.0mm大で、対光反射左右ともあり。」
VS著変なしと略さず、測定し、観察したバイタルサインを記載します。
転倒事故などの発生時は、フローシートとは別に、経時記録に記載しておくと経過が分りやすくなります。
疼痛はスケールで記載すると、時間経過後の変化も分りやすくなります。
略語・造語・記号などの使用例
① 日本語と外国語を混合している造語は使用しません。
例) ×「パニくる」→ 〇「パニック状態」
×「ガス抜き」→ 〇「排気」
② 日本語とローマ字を混合している造語は使用しません。
例) ×「G音」→ 〇「腸蠕動音」
×「R側」→ 〇「右側」
③ 意味不明な略語は使用しません。
例) ×「点注」→ 〇「点滴静脈内注射」
×「インスリンの決め打ち」→ 〇「指示通りインスリンを注射する。」
④ 医学用語・看護用語の省略はしません。
例) ×「R苦」→ 〇「呼吸困難」
×「肺雑」→ 〇「肺雑音」
×「経管」→ 〇「経管栄養」
×「体交」→ 〇「体位交換」
⑤ 不適切な記号は使わない
例) ×「排尿+」→ 〇「排尿あり」
×「排尿-」→ 〇「排尿なし」
×「体温↑」→ 〇「体温39.0℃」
×「体温↓」→ 〇「体温35.6℃」
×「説明が必要か?」→ 〇「説明が必要と考えられる。」
×「ものすごい大声」→ 〇「大きな声で「痛い」と話された」
倫理的視点からの看護記録の記載範囲
看護記録には、看護計画、及び実践した看護に関する事項のみを記載します。
① 患者さんの情報の記載は、利用目的に沿って本人の同意を得ます。
その上で、「・・・このように記載しますが、よろしいでしょうか?」と確認し、記載するようにします。
② 患者さんの身体状況や病状、治療などの経過に関する情報と、看護実践の内容や方法を記載します。
③ 看護実践の内容、及び方法について、患者さんや家族と話し合い、同意を得たことを記載します。
④ 医師が行った患者さんや家族への治療方針などの説明内容は記載しません。
医師空の説明内容に対する患者さんや家族の反応を記載します。
診療情報開示の視点からの看護記録の記載
患者さんの身体状況、病状、治療などの経過の記載をします。
① 看護実践の内容や方法、その結果を記載します。
② 看護実践の内容や方法、その結果について、患者さんや家族と話し合い、同意・納得を得たことを記載します。
③ 患者さんの自己決定支援に向けた説明や話し合いの過程、カンファレンスの結果とその後の患者さんの反応を記載します。
④ 患者さんや家族への説明内容とその反応、同意について記載します。
標準用語を使用
看護記録には、方言や過去に多かったカルテ用語は使用しないようにし、
誰が読んでも明確で一貫した標準用語を使用して記載します。
現在形と過去形の使い分けは、今見たことをそのまま記載します。
現在進行していることは現在形で記載し、終了したことは過去形で記載します。
副詞も通常の文章と同じように、略さず記入するようにします。
リスクマネジメントの視点からの看護記録の記載
医療事故・インシデント発生時にも、看護記録は必ず記載します。
事故が発生したときには、事故発生の時点から経時的に記録します。
その際、事故発生直前の患者さんの状態や反応も必ず記載します。
経時的に記録するとは・・・
患者さんの状況、医師への報告、家族への連絡、観察・処置・ケアなど、患者さんや家族への説明、反応、同意などを時間の経過を軸に全て記載することです。
事故の状況と患者さんの反応については、事実・データをありのままに記載します。
推測や判断は記載しません。
事故後に実施された治療とその後の観察・処置・ケアなどの内容について記載します。
この際の記載は、5W1H(いつ、どこで、誰が、なにを、なぜ、どのように)を原則とします。
行動制限実施時に必要な記録項目
患者さんを拘束するなど、行動制限実施が行われた場合は、以下のような項目を必ず記載します。
① 行動制限が臨床的に妥当なものであるということを記載します。
② あらかじめ試みた行動制限以外の方法を記載します。
③ 患者さんの状態を十分検討したということを記載します。
④ 患者さんや患者さんの家族、患者さんの代理人が、行動制限を行う意思決定プロセスに参加したことを記載します。
行動制限に伴うメリットを説明し、患者さんの尊厳を守るための対処を試みたことを説明したことも必ず記載します。
⑤ 行動制限を行う同意を患者さん、或いは患者さんの家族、患者さんの代理人から得るため、
安全な生活のための説明と同意書を提示し、内容を確認後、サインを貰っていることを記載します。
⇒同意書例
⑥ 緊急に行動制限を実施した場合、患者さんの家族や患者さんの代人にその経過を説明し、同意を得たことを記載します。危険度アセスメントツール危険度アセスメントルールは、転倒や転落、挿管チューブの抜去、輸液ラインの抜去などのおそれがある患者さんの危険度を、
年齢や既往歴、精神的機能障害、身体的機能障害、活動状況、薬物状況、排泄状況などの項目に点数をつけ、
判定するためのツールです。
危険度アセスメントツールは、危険度を3段階に分けて、行動制限が必要かどうかを判定します。
行動制限実施中の記録
① 行動制限実施中は、
「呼吸状態、意識レベル、循環状態、四肢の感覚機能などの臨床的病状の観察」、
「安全帯の位置、ズレ、締め付け状態などの安全の状態」を観察し、記録します。
② 行動制限の有無について、合議した結果を経時記録に記載します。
侵襲を伴う検査・処置の記録
① 侵襲を伴う検査や処置の際には、
「医療行為の理論的根拠と倫理性」、「対象者にとっての適切な手順」、
「医療行為に対する反応の観察と対応」について留意し、
主治医の指示に基づく医療行為を行って反応を観察します。
② ルチーンで行う行為は、規定の記載をします。
与薬・処置・清潔の項目がルチーンで行われます。
輸血時の記録
輸血時には、輸血実施情報である輸血ロット番号、輸血の種類、数量、副作用の有無を記載します。輸血副作用情報輸血開始直後から5分間はベッドサイドにて状態を観察し、副作用の観察と記録を行います。
副作用は輸血開始直後、5分後、15分後、輸血中、輸血終了時に観察します。
そして、副作用情報に記載するようにします。
副作用が発症したときには、その経過を経時的に記録します。
医療監視・診療報酬の視点からの看護記録
勤務帯に観察した「事実」、「身体状況と病状」、「看護実践」を記載します。
安定期は、勤務帯ごとに叙述記録を書かなくても、フローシートにまとめて書くことでOKな病院が殆どです。
重要な徴候がでた場合には、経過記録は、フローシートや叙述的記記録などに記載します。フローシートフローシートには、観察した事実として、
たとえば末梢静脈カテーテルやCV挿入部の発赤、腫脹、圧痛、排膿などの有無を「+」、「-」で記入します。
また、全身倦怠感、嘔吐、疼痛などの身体状況や症状についても
「+」、「-」で記入し、或いは尺度を使用して記入します。
与薬の内容や量についても記入し、
輸液管理の実施、刺し替え、消毒の実施も記載します。
ウロストミー、イレオストミーの張り替え、
スキンケアの内容も実施した際に記入します。
看護計画についての記載
① 看護の目標、具体的な看護の方法及び評価を記載します。
② 生活への支援、日常生活行動の評価と患者さんの必要性に応じた支援結果、
排泄、清潔、食事などは体温表などに記載します。
③ 患者さんの必要性に応じた生活様式の支援は、
経過記録に計画に基づいた実行と結果を記載します。指示受けと指示の実施の記載指示を受けた者の署名と指示実施後は実施者の署名を記載します。患者の所在に関する記載入院、退院、転科入・転科出、転棟、手術、外出、外泊時は、
患者さんの所在の場所と内容、時間を記録に記載します。
看護記録の書くべき表現と書いてはいけない表現
看護記録は、患者さんが看護記録の情報開示を希望することを当然と考えることが必要です。
ですから、患者さんや患者さんの家族が理解できる記載方法を心がけること、患者さんや患者さんの家族が理解できる表現方法を心がけることが重要です。
正しい記載方法は勿論のこと、不適切な表現とならないように注意します。
特に不適切な表現となりやすいジャンルがあります。
それらのジャンルについては、事前に学んでおくことが必要です。
不適切な表現になりがちな項目とは
① 人権に関わる表現人権・人格を侵害する表現、患者さんの状態や性格に関する否定的な表現。② 客観性に乏しく誤解を招きやすい表現看護師の主観や憶測、木目付けや偏見による表現、状況説明が適切ではない表現、
「~と思われる」、「~のように見える」などの曖昧な表現。③ 医療者が優位であるかのように感じさせる表現指示・命令的な表現、職員間の誤った敬語や軽症、権威や権限をあらわす用語の使用。④ 略語・造語・記号などの使用造語、テキスト・辞書に記載されていない略語、不適切な記号や感嘆符・疑問符の使用。
経過記録(SOAP)の充実を図ること。
経過記録を記載する目的は、
「計画に基づく看護実践の結果、問題はどのように変化したか、問題の経過や患者さんの健康状態に応じた看護実践の内容とその結果を示しそれらをケアの根拠とする。
これらの記録は、看護業務、看護実践の適切性を証明するものである。」
と、いわれています。
この目的を達成させるために、患者さんの経過をどのように記述するかがとても重要なことがわかります。
現在、患者さんの経過を記述するにあたって採用されている経過記録様式で多いのは、SOAP形式です。
SOAP形式での経過記録の記述の現状をみてみると、
「S」や「O」は記述されていたとしても「A」や「P」の記述がなかったり、「S」や「O」を記述した意図がよくわからない記録、「S」や「O」を述した意図はわかるが、「S」や「O」の記述を受けての「A」や「P」のない記録があります。
また、「S」「O」「A」「P」それぞれの記述は合っても、「S」「O」「A」「P」の記述に内容に一貫性がなく、「S」「O」「A」「P」を記述した意図が良く分らない記録など、SOAPの基本的な考え方に照らされた記録になっていない看護記録があるという現状があります。
このような現状の中で、「S」「O」「A」「P」における経過記録状況の充実を図るためには、
(1) 経過記録を記述する目的が分るようにすること。
(2) SOAPの基本的な考え方が分るようにすること。
(3) 看護問題の状態、看護診断の状態、状況に対するSOAPの考え方が分るようにすること
が、重要です!
さらに、SOAP形式による経過記録がどのようなものであるのか、どのような意味を示すものなのかを実際の記録で実感することによって、SOAP形式を使用した経過記録の記述が出来るようになっていきます。
経過記録(SOAP)の充実を図るためには、患者さんにとっても経過記録を記述する目的、
その目的を受けてのSOAPの基本的な考え方、SOAP記録の基本的な考え方を受けてのSOAP形式の経過記録を記述できるようにしていくことが重要です。
常に記述をする際、看護計画の目的を頭におき、その目的を達成するためにはどうすべきなのかを考え、
看護記録の記載を行うことが重要です。
最後になりますが、ここまで見てくださりありがとうございます!
